令和2年第3回東広島市議会の定例会が9月18日に開催された。
出席した議員は29名で、報告では一般質問において公共施設の管理問題が焦点となった。特に、舗装維持修繕計画や橋梁の長寿命化修繕計画について多くの議論が交わされた。
田坂武文議員は舗装維持修繕計画の進捗状況を問うた。彼は、計画が壊れた後に直す事後保全ではなく、壊れる前に手を打つ予防保全に重きを置く必要性を強調した。その回答として、建設部長の中谷浩美氏は、修繕計画は予防保全を含む内容であると述べた。また、進捗が遅れている原因には、過去の災害が影響していることを説明した。
さらに、舗装の維持修繕にはコスト縮減が求められている。田坂議員は新しい技術を利用してコストの縮減が可能であるが、短期的には割高になる可能性があることを指摘。これに対し中谷氏は、予防保全のタイミングを調整することで総コストの縮減が可能であると答えた。
また、長寿命化修繕計画についても議論された。田坂議員は、この計画が進捗しているかについても問うており、結果、計画の進捗率は目標に達していないことが明らかになった。引き続き、異常気象等の増加を踏まえ、進捗および予算の見直しが求められている。
次に、16番重森佳代子議員は新美術館の運営について多くの質問を投げかけた。彼女は未来における美術館の役割を問い、その運営には多額の費用がかかることを指摘した。市長は、文化と芸術の重要性を説明しつつ、投資の必要性を強調した。興味深いことに、山口県の北九州市が無駄のないコレクションを行っている事例が挙げられ、経済の先行きが不透明な今、しっかりとした計画のもとでコレクションを行う必要があると訴えられた。
最後に、重森議員は市民の視点を中心にした施策の強化を求め、美術館が市民にとって身近で、感動的な体験を提供する場であるべきだと締めくくった。市長はその意見の重要性を理解し、引き続き議論を重ねていく意向を示した。このように、東広島市議会では市民の声が議事を形成する傍ら、公共施設の適正な管理問題が浮き彫りとなった。