令和5年6月15日に開催された矢祭町議会では、子育て支援や空き家対策が重要な議題として取り上げられた。町の対策には、少子化対策や住宅支援、また教育分野におけるAIの活用についての検討が含まれる。
まず、子育て支援について、本多勇也議員は町の施策が人口向上に向けて必要だと強調した。月額20,000円の高校生奨学補助金をさらに増額することや、新婚世帯への30万から60万円の補助金制度を推進するべきとの意見があり、佐川正一郎町長は思い切った施策の必要性に同意した。町全体の魅力を向上させるため、次世代を担う若者たちへの支援が求められていると述べた。
次に、空き家対策についても議論が交わされた。現在、矢祭町の空き家バンクには6件の物件が登録され、転居を希望する人への支援策が必要であると指摘された。古市賢事業課長は、町内の企業から社員用の宿泊施設に利用したいとの問合せがあり、新たな活用方法の模索が行われていると報告した。また、リフォームに対する支援制度もあることが説明された。
教育行政の中では、AIの活用にも話が及んだ。生成AIやQRコードによる情報提供が進む中、菊池基之教育課長は、子どもたちが思考力を高めていくためにも資料として活用し、回答を端的に示すものとして使ってはいけないと強調した。また、部活動の地域移行に関する課題も指摘され、地域スポーツや文化活動を継続するための条件整備が必要とされている。
最後に、防犯に関する議論も行われた。治安維持については、最近の凶悪事件を踏まえ、防犯協会矢祭支部の活動などに対して地域が一丸となる必要性が強調された。教育長は、町づくりは人づくりという考えの下、地域の教育力を向上させる取り組みを続ける意向を示した。地域全体での連携が、より安心な社会を築く鍵であると言える。
この日の議会では、矢祭町のこれからの方向性が多角的に議論され、今後の施策に期待が寄せられている。