令和5年9月12日に開催された矢祭町議会定例会において、町長は町政懇談会の成果や今後の課題について述べた。この懇談会では、町民の意見を積極的に吸い上げ、特に地域の道路や公共インフラの整備が重要視されている。
地域からの要望事項は実に多岐にわたるが、その多くは交通安全や公共施設の維持管理に関するものだった。この中で、町長は防災拠点としての役場庁舎の建設が不可欠であるとの認識を示し、現在進められているまちなか公共機能調査業務の結果を踏まえた計画策定が重要であると強調した。
特に台風などの自然災害が増加している中、庁舎を中心とした防災体制の強化が必要とされている。町民との距離を縮めるために、町長自身の思いを町民に伝える機会を増やし、より良い交流を促進することが求められている。
さらに、農業振興策としては、「人・農地プラン」を進めることで、担い手の育成や耕作放棄地の問題に取り組む土壌が形成されていることを説明した。農業委員会と連携し、中山間地域の保全策などを計画していく方針も示した。
観光振興に関しては、旅行需要創出事業の実施を通して町の魅力を発信し、集客を図っている。この事業の中で、田舎暮らしや援農、スポーツ合宿などの様々なプログラムを実施し、地元の魅力を再発見する場を提供する。そのため、具体的な予算の使用計画や、事業の進捗に関しても透明性を保ちながら報告していくことが重要視されている。
IP電話普及の課題については、利用促進策の強化が必要であるとされ、無料化の恩恵を受け取る町民を増やすための広報活動が拡充されるべきであると意見が挙がった。デジタル化が進む中で、使いやすい環境を整備し、町民がIP電話を活用しやすいような取り組みが求められている。
このように町行政全般にわたり、町長は町民とのコミュニケーションの重要性を強調し、課題への迅速な対応を誓った。