令和5年12月14日に開催された矢祭町議会定例会では、重要なアジェンダがいくつか議論された。特に目を引くのは、障害者相談支援事業に関する委託費の消費税未払い問題である。
この問題に関して、町民福祉課長の大森秀一氏は、消費税を誤って非課税扱いにしていたため、未払いが発生したと説明した。事業者は過去の消費税分の修正申告を行う予定であり、町としてもその金額を負担する必要があるとした。今後は制度内容の理解を深め、再発防止に努める考えが示された。
これに続き、鈴木正美議員からは、農業振興策の有効性についての疑問が投げかけられた。農業がこの町の基幹産業であることを強調し、行政が十分な施策を講じる必要性を訴えた。特に、後継者不足の問題が深刻であり、農業従事者の減少が懸念されているという実情が紹介された。事業課の古市賢君は、少人数での対応に限界があることを認め、人員の増強検討を約束した。
また、片野一也議員は、県立自然公園矢祭山のキャンプ場整備と観光拠点設置に関する要望を述べ、新たな観光資源として自給自足の農業振興が重要であると提起した。町長の佐川正一郎氏も、町の観光振興策の一環として、その重要性を認識していると応じた。
加えて、ユーパル矢祭の活用方法についても議論が行われた。鈴木正美議員は、高額な使用料により町民が利用しにくい現状を指摘し、無料開放の提案を行った。町の自立総務課長、鈴木直人君は、その可能性を検討する意向を示した。
今後、矢祭町が直面している課題に対応するため、町民との信頼関係を築き、積極的な施策の実施が求められる。特に、農業振興は町の経済の根幹であり、しっかりとした政策立案が必要であると強調された。地域におけるこうした施策が、町の未来を形づくる重要な要素となるだけに、迅速な対応と実行が期待されている。