令和3年12月9日に行われた定例会では、市政一般質問が中心に議論された。特に重要なテーマとして取り上げられたのは、東京電力への損害賠償問題と農業政策の展開である。
まず、東京電力への損害賠償に関する質問が、蛇石郁子議員によって行われた。彼女は、事故により生じた賠償請求過程について詳細を尋ね、吉田徳久環境部長が2021年12月の時点での賠償請求状況を報告した。特に、一般会計での請求額が134億7,473万円、受領額が14億6,996万円、そして公営企業会計では請求額が12億1,667万円、受領額が7億8,567万円であることが述べられ、賠償請求の行方に注目が集まった。
次に、農業政策については、蔓延する労働力不足や高齢化の影響が顕著であるため、市では新規就農者の確保に向けた取り組みを検討していることが説明された。郡山市では、こおりやま園芸カレッジを通じて農業研修を行い、新しい技術の習得を促進するとともに、地域プロジェクトなどを通じた支援も展開されている。これにより、特に半農半Xの形態を取り入れたり、農業を支える多様な担い手を確保する方針が強調された。
さらに、道路整備の必要性についても言及された。県道郡山湖南線の整備が進み、交通促進が期待されるが、自転車通学の学生を含む地域の安全対策が求められることが指摘され、さらなる道路改良が必要であるとの意見が強調された。市長は、道路管理者である福島県に対して積極的な働きかけを行う意向を示した。
また、気候変動への取り組みとして、SDGsの観点から再生可能エネルギーの導入推進が議論され、環境負荷の低減に向けた具体的な施策が提案された。同市では、2030年度に向けた温室効果ガスの排出量削減目標を設定し、再生エネルギーの割合を確保する方針が示された。
最後に、葉たばこ廃作後に耕作放棄地となるリスクが議論され、農業委員会では農業農地の維持を図るための支援策が求められた。市としては、継続的に支援し、農業の安定した経営を促進する姿勢を示した。