令和5年9月12日に開催された塙町議会定例会では、上水道事業や料金改定、デジタルトランスフォーメーション(DX)などが議題に上がった。
特に、上水道事業に関する問題が際立ち、議員の菊地哲也氏は、塙町の経済収支比率が110を超える一方で、料金回収率が50%と半分に留まる現状を取り上げた。これに対し、町長の宮田秀利氏は「人口減少に伴い料金収入が減少しているだけでなく、施設の老朽化の影響も大きい」と述べ、経営改革の必要性を強調した。町は、令和8年度を目途に料金の改定作業を進めている。
また、塙町の水道技術管理者の現状も話題に上った。生活環境課長の八幡祐圭氏は、「現在の有資格者は52.2歳と平均年齢が高く、将来的な人材育成が必要」と指摘した。これは、技術者不足が深刻になる懸念をもたらしている。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に関しても、多くの質問が寄せられた。総務課長の江田一寛氏によると、町ではオンラインでの口座振替手続きや各種手続きのオンライン化を進めている。また、DXの推進に向けてペーパーレス化を進め、タブレット端末を会議で利用する試みも行われているという。
その他にも、新庁舎に向けた職員の業務改善の取り組みや、敬老会行事の新たな制度設計も議論された。町長は「敬老祝い金を全員に支給する方針は変わらない」と示し、参加者が少ない行政区に対しては周知を行う姿勢を示している。夏祭りに関する要望も出され、来年は灯籠流しと花火のイベントを再開できるよう努めていく考えが表明された。
地域の再生可能エネルギーの導入についても、町としては小水力発電や小型風力発電の実証実験について計画しているとされており、県との連携が期待される。
今後も塙町は、様々な課題に対応しながら、町民のニーズに即した施策を進めていく方針のようだ。