令和2年12月11日、塙町議会定例会が開かれ、一般質問が行われました。議会では、農業や環境、また新庁舎建設に関する多岐にわたる議題が取り上げられました。これを受け、町長や教育長などから熱心な回答が示されました。
特に注目されたのは、青砥與藏議員による水稲のカメムシ被害に関する質問でした。青砥議員は、「今年は被害が例年に比べ約10倍」との情報を引き合いに出し、被害状況の詳細を町長に確認しました。町長の宮田秀利氏は、「今年は例年よりも深刻な状況」と認識を示し、農林推進課長の江田一寛氏からも米の等級低下についての報告がありました。今年の一等米は81.5%となり、昨年より約10%下落したとのことでした。
続いて、川の洪水対策についての議論が進み、久慈川と川上川の状況に関して町長は、土砂の撤去や堤防の整備など、復旧工事が進められていると報告しました。具体的には、洪水対策としての河川土砂の掘削や堤防強化策の計画が進められていることが伝えられました。
また、議会では新庁舎建設についても議論されました。吉田広明議員は、なぜ今この時期に改築を進めるのかという疑問を呈しました。町長は「このタイミングで行うことが町にとって最も負担が少ない」と述べ、庁舎の老朽化への対応が急務であることを強調しました。町財政に対する影響も考慮し、公共施設等総合管理計画に基づく長期的な財政見通しを示しました。そして、町の将来的な展望として、庁舎がしっかりとした防災拠点であることが重要視されていました。
さらに、イノシシによる農作物被害についても言及され、対策を求める声が多く挙がりました。議員たちは今年の被害状況を踏まえ、より実効性のある防止策が必要であると共通認識を持ちました。最後には、土砂撤去や水管理についても議論が交わされ、議員たちは今後必要な対策について町の支出と計画を検討するよう求めました。
この会議を通じ、町の様々な課題が指摘され、将来的な施策の方向性について議論が活発に進められました。町民への説明責任や透明性も求められる中で、町長をはじめ多くの議員は、前向きに問題解決に取り組む意向を示しました。