行橋市議会定例会では、令和元年12月に行われた一般質問の中で、市営住宅問題と公務員倫理についての議論が展開された。
市営住宅問題では、鳥井田幸生議員が市営住宅の老朽化に関する質問を行った。老朽化が進行し、耐用年限を超過する住宅が70%に達していることが明らかになった。行橋市では、1540戸の市営住宅が存在し、そのうち約1000戸が耐用年限を超える。また、新耐震基準に適合していない建物が77%以上とされる中、田中純市長は、空き室が存在することを理由に供給不足と考えていないと発言した。これは多くの市民から理解を得ることができないかもしれない。
公務員倫理については、城戸好光議員が管理職による業務中の営業活動について問題提起した。回答を行った部長たちはいずれもそのような行為はないとしたが、実際に職員の中には過去にお願いしたことがあると認める者も存在した。これは行政職員の倫理観を問う問題であり、議会内でも厳しい意見が交わされた。また、条例の内容についても様々な観点からの議論が起こり、政治と行政、そして市民の権利についての扱いに慎重さが求められた。税金を用いて運営される公共サービスであるが、この市民の権利が尊重される重要性が再認識される機会となった。
加えて、骨髄バンクドナー登録の推進、産後ケア事業の拡充も議論された。行橋市は、出産後の女性を対象としたショートステイ型の産後ケアを行っているが、その利用者は年々増加傾向にある。さらに、日本語指導を必要とする外国にルーツを持つ生徒への支援も求められている。このように、様々な課題が議題に上がり、今後の取り組みに市民からの期待が寄せられている。特に、アウトリーチ型の産後ケアや、不妊治療の支援については、行政が一層多様なアプローチを行う必要性が強調された。
このような議論を通じて、行橋市議会は市民からの関心に応えるため、引き続き透明性のある行政運営を目指す意向を示した。市民へのサービス提供の質を向上させるために、不断の努力が求められる状況であることが浮き彫りとなった。