行橋市議会は9月25日、令和2年9月第4回定例会を開催した。重要な議題が続出し、特に「行橋市通学路の安全確保に関する条例の制定」が注目を集めた。この議案は、通学路の工事を実施する際、工事内容を学校等に通知することを求める努力義務を定め、安全対策を強化することを目的としているが、審査の結果、議案は否決された。
田中建一文教厚生委員長は、「学校の敷地境界線からおおむね1,000メートル以内の通学路を対象とする根拠を確認した」とし、「この距離は小学校等の敷地の出入り口から1キロメートルを基準にしている」と説明した。同時に、新たな条例の制定理由として、昨年の通学路安全確保を求める請願が全会一致で採択されたことを強調し、議員たちと意見を交わしたが、最終的には通信安全への影響が懸念されるとの理由で否決に至った。
次に「行橋市複合文化施設条例の一部を改正する条例」についても議論され、こちらは全会一致で可決された。主に旧図書館移転に伴い、市民が利用できる講座室とギャラリーの新設を目的とした内容が盛り込まれており、料金表も追加されることになった。しかし、それに対し市民からは料金が高すぎるとの反対意見も上がった。
また、「行橋市立小中学校タブレット等機器の取得」議案は、全員一致で可決した。タブレット3,012台の取得について、今後の教育現場におけるデジタル化を促進するため、契約内容についても市民への周知が求められた。
総じて、今回の定例会では教育環境や安全対策に対する市民の関心が高まっており、それが議会運営にも反映されている。市の教育環境の改善や児童生徒の安全確保に向けた今後の取り組みに、市民の期待が寄せられている。