令和元年12月3日、行橋市議会は第16回定例会を開会した。重要議題が複数挙がった中でも、教育長の任命が注目を集めた。
市長の田中純氏は、教育長候補に長尾明美氏を提案した。長尾氏は日産自動車に長年勤務しており、その経験を教育行政に生かすことが期待される。市長は「新たな視点を教育行政にもたらす」と述べた。
しかし、議員からは不安の声が上がった。田中次子議員は、教育長不在期間が長かったことや、全くの教育現場未経験者を選任することに懸念を表明した。また、德永克子議員は、教育に必要な知識を持つ人材がいるはずと主張し、反対の立場を取った。
反対意見の中でも特に強い意見が出たのは、教育現場での経験不足への懸念である。大池啓勝議員は、教育長の役割には幅広い知識や地域との関わりが重要であると指摘し、長尾氏にはその経験がないことを問題視した。
長尾氏の提案に対する反対意見は多く、最終的に賛成11票、反対3票、白票4票で、議案第104号が同意された。この決定により、長尾氏が教育長に任命されることになった。
市長は、教育の中立性を損なうことなく、行橋市の教育発展に尽力するよう期待を寄せた。長尾氏は、今後の教育行政において幅広い視点を持ち、自らの経験を生かして取り組むことを誓ったとされる。