令和4年12月12日、行橋市議会定例会では、福祉行政に関する質問が行われ、市民福祉の向上に向けた議論が活発に展開された。
まずは、西岡淳輔議員からの質問に対して、HPVワクチン接種の状況が報告された。福祉部長の木野雅博氏は、本市における接種者数が、今年度に入り242人に上ることを強調し、定期接種への理解が深まった結果であると述べた。また、勧奨の再開に伴い市民の反響があったことを指摘し、積極的な情報提供が必要とされる。
次に、井上倫太郎議員は、フリースクール「風の里」に関して質問した。行橋市内における不登校の子どもたちへの支援が急務である中で、風の里が提供する多様な学びを紹介。特に、クリスマスリース作りなど、地域の人々との交流が進むことに期待が寄せられていた。さらに、風の里や就労支援所との連携強化が必要との意見が出た。
田中建一議員は、市奨学金制度に関する見直しを提案し、貸与型の現状と返還免除型の課題を指摘した。教育長の長尾明美氏は、奨学金の周知が不足しているとの認識を示し、制度の見直しの必要性を強調した。さらに、公平性や自立支援の観点から、職業を限定する必要性を見直すべきだとの意見も出た。
市営住宅については、小見祐治議員が言及し、現状の戸数や入居希望者の増加を受け、老朽化した住宅の適切な維持管理が求められた。部長の林善弘氏は、高齢者や単身世帯に対する配慮不足を引き合いに、ニーズを踏まえた施策が重要であると述べた。
機構改革の議論では、各部との調整状況や今後の施策に対する思いが示された。市長の工藤政宏氏は、機構改革の目的を市民の信頼に応える施策推進とし、それに向けた柔軟な対応が必要と語った。