行橋市議会は令和3年9月30日に定例会を開催し、重要な議案28件を審議した。
今回の会議では、特に教育・保育事業に関する条例改正が注目されている。文教厚生委員会の田中建一委員長は、「行橋市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例」と「家庭的保育事業等の基準に関する条例」の改正について報告を行い、運営基準が内閣府令に沿った形で見直されること、またデジタル化により保護者の利便性を向上させる旨を述べた。さらに、保育事業者の管理については、個人情報の取り扱いに十分に配慮し、セキュリティ対策を強化するよう要望があった。これらの改正は、迅速な対応が求められる時代に即したものであると強調された。
また、総務委員会の工藤政宏委員長からは、行橋市京都メディカルセンター組合の設立についての審査経過が報告された。新組合は関係市町による共同運営で、議会からの承認を得てスタートする運営基準が設定される。経費の分担についても均等分配や人口に基づく分担金制度が採用される。議会では過去の議論と比較し、より透明性のある運営が期待されている。
質疑応答では、消防関連の議案についても議論が行われた。高規格救急自動車の取得に関して、数名の議員から、必要性の高さや安全基準の遵守について質疑が寄せられた。その中で高機能消防指令システムの更新も進めるべきとの意見が相次いだ。工藤委員長は、現在位置しているハードウェアの老朽化が進む中、システム更新は急務であると説明した。
また、議会では令和3年度の予算補正に関連する議案も可決された。コロナウイルス対策や、地域振興策に基づく補正予算についても多くの議員が意見を述べた。新型コロナウイルスに関する予算措置や戦略的施策の見直しに対する視点が強調されたことは、地域住民からの支持が求められる状況への対応である。一方、特定教育機関の教職員の安全に配慮した方策の必要性も議論された。
最後に、意見書として「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を辺野古新基地などの埋立てに使用しないよう求める意見書」が提出された。討論の末、賛成者が少なく否決されたが、その背景には個々の議員の意見の違いが影響していることが伺えた。