苅田町議会では12月14日、令和5年第8回定例会が開催され、町民の健康や観光振興に関する重要な議題が議論された。
最初のテーマは新型コロナワクチンについてである。町では、接種対象者1,314名に積極的勧奨を行い、接種率は約30.4%となっている。町民からの後遺症に関する問い合わせもあり、現段階で4件の報告があった。これらの死因は突然死とされており、手続きにおいては、予防接種健康被害調査委員会が設置され、医療関係者での審議が行われている。担当課の種生純子課長は、親が子供のワクチン接種について学んで判断できるよう、広報かんだでの情報提供の強化や保健師による指導を提案した。
次に、障がい者に寄り添う施策として、デフリンピックの支援や、コミュニケーションツールとして「シースルーキャプションズ」の導入が検討された。柿本久消防長は、このツールを用いて聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑にし、地域の共生社会を目指すと述べた。
また、まちづくりの拠点施設についても話題に上がり、町長は、令和8年度末までに計画を進める意向を示した。立地については、井場川埋立地が第1候補となっているが、住民の意見を聞きながら進めていく姿勢を強調した。施設建設にかかる経費は、既存のパンジープラザの維持管理コストに影響を与えないよう努めるとした。
観光振興に関しては、町の自然や文化資源の魅力を発信し、地域の共生や多様性を深めるための取り組みが求められている。交通商工課の田口和幸課長は、好ましい情報発信が不足している現状を認識するとともに、各種活用方法について検討を示唆する一方で、観光協会との連携も強調した。
町民に対する健康や観光の基本政策、未来の展望についての議論の進展に期待が寄せられる。