令和5年9月11日、富里市議会の定例会が開かれ、さまざまな議題について議論が展開された。市民の生活に密接に関連する課題が提起され、特にマイナンバーカードや国民健康保険についての質問が目立った。
柏崎のり子議員は、マイナンバーカードに関して申請率やこれまでの事業経費について具体的な数字を示しながら質問した。市長の五十嵐博文氏は、マイナンバーカードの申請率が87.24パーセントで、経費は約1億500万円であると報告した。これは全額国庫補助金から賄われているとのことで、市民の新たな負担は発生していないことを強調した。
また、国民健康保険について柏崎議員は、子どもへの均等割軽減の拡充について市の意向を尋ね、五十嵐市長は、国の動向を注視しつつ、制度の議論を進める必要があると述べた。
さらに、会計年度任用職員に関する質問も行われ、雇用の安定や処遇改善についても意見が交わされた。柏崎議員は、任用職員の割合が31.4パーセントとなる中、正規職員の待遇改善の重要性を訴えた。
続いて、高齢者福祉施策や子育て支援施策についての質問も行われた。井上康議員は、特に高齢者の福祉施策において、人生会議の普及を求め、介護事業の持続可能性や支援策についても言及し、行政の取り組みを評価した。
観光と農業の新たな拠点ともなる末廣農場の議論も行われ、利用者数の増加や収支改善が期待される中で、地域の結束を強めるイベントの実施が求められた。市長は、農場と旧岩崎久彌末廣別邸公園を一体的に運営し、多くの訪問者を迎える施策を進めていることを示した。
議会での議論を通じて、富里市は市民のニーズに応えるべく取り組みを強化し、さらなる福祉や地域活性化に向けた施策を進める意向が示された。