令和6年第1回定例会が開催され、議題はさまざまな地域課題に及ぶ中、特に農業の現状と今後の施策についての議論が注目を集めた。
飯嶋重一議員が取り上げたテーマは、農業の後継者不足と新規就農者の少なさであり、その背景には労働力に見合った対価を得られない現状がある。彼は、「農産物は生活必需品であるにもかかわらず、市場原理に左右され、農家は自由に価格を決められない」と強調した。特に成田市のサツマイモは、独自の補助金制度により品質が向上し、高値で取引されていることを指摘。市長の小泉一成氏は、農業を取り巻く現状を説明し、「担い手不足や高齢化が進行しており、地域農業の集約化や支援が急務である」と述べる。
また、「農繁期の人材確保や新規就農者に対する支援が強化される必要がある」とし、地元農業への関心を高めるための施策を進める考えを示した。さらに農業の魅力を発信するための地産地消ガイドマップの作成や、親子体験農業教室の開催を通じて、市民に対して積極的に農業の魅力を伝える方法を模索している。これに対し、飯嶋議員は新たな農業担い手支援の具体策についての詳細を求めた。
次に挙がったのは、子どもが遊べる場所の設置についてである。飯嶋議員は、近隣に遊具が充実した公園が少なく、特に新たなプレーパークの常設化が求められていると訴えた。市長は、現在のプレーパークの状況を説明し、将来的な常設化に向けた検討を進める考えを示した。
「児童が安心して遊べる場所が少ないことは問題であり、一層の改善が必要だ」と、飯嶋議員は続けて市が地域の要望に応えていく動きを期待する。次いで、AEDの設置とその管理の問題が指摘された。市長は、AED調達のリース方式を採用していることを説明し、適切な管理を行うことで市民の安全確保に努めているとした。また、デジタル化推進の一環として、職員のICTスキル向上に向けた研修を強化する必要があると語った。
議事は最後に、予算特別委員会の正副委員長の互選結果が報告され、藤崎勇一議員が正委員長、一山貴志議員が副委員長に選出されることが決定し、議会は引き続き市民サービス向上に向けた取り組みを進める意向を示した。こうした多様な地域課題への対応が進む中、議員たちは市民の声を反映した施策の実現を目指している。