成田市の令和6年6月定例会は、6月13日に開催された。議員たちは様々な論点について質疑を行い、地域の安全対策や環境問題、農業政策について意見を交わした。
最初に村嶋照等議員は、子どもたちの事故防止対策に言及した。特に通学路での安全対策が不十分であると指摘。彼は、「毎年多くの子供たちが不慮の事故で命を落としている」と述べ、道路の改善や安全教育の重要性を訴えた。これに対し、教育長の関川義雄氏は、「毎年危険箇所の調査を行い、改善に取り組んでいる」と回答。多数の改善要望に対して、42%が整備済みであることを示した。
次に村嶋議員は、桜の新しい病気であるクビアカツヤカミキリについても質問。市長の小泉一成氏は、「クビアカツヤカミキリによる被害は深刻であり、定期的なパトロールを行い、市民にも周知していく」と強調した。また、農業政策の重要性にも触れ、特に新規就農者への支援を新たに導入することを述べた。
代議士藤崎勇一議員は、高齢者の「買物弱者対策」と不法ヤードに関する問題を取り上げた。移動販売などの施策を紹介しながら、「より多くの場所を巡回できるように改善していきたい」と述べた。「不法ヤード」の問題では、設置基準と監視体制の強化が必要であると訴え、当局の対応が求められるとした。
さらに、空港部長の米本本文雄氏は成田空港の観光振興について言及。周辺地域との連携を強化し、観光産業の広域化を図ることで成田市の観光価値を高める考えを示した。昨年度は成田空港発の観光需要が高まり、観光振興に寄与したという。
これらの質疑を通じて、成田市は多様な課題に取り組んでおり、その解決のために市民や議員の意見を積極的に聴取していることが明らかになった。特に子どもたちの安全や高齢者の生活支援に向けた取り組みは重要であり、今後の進展が期待される。地域資源を有効に活用し、持続可能な発展を目指す市の姿勢が示されたといえる。