成田市では、令和元年に発生した台風15号や19号、10月の低気圧による大規模な災害に対して、その状況や市の対応を振り返りながら議論が行われた。
台風15号による被害は、人的影響は皆無であったものの、広範囲での停電や倒木などが確認された。特に、成田市では最も大きな影響を受けた自治体の一つである。市では、停電解消に向けた対応についても、東京電力と連携を図りながら進めていることが強調された。
一連の災害においては、地域防災計画が実施され、多くの職員がその運用に関与した。しかし、災害発生後の初動対応において、本来の業務も並行して行う必要があり、全職員の参集が困難だった状況が示された。特に、停電や通信障害の影響を受け、避難指示や情報伝達が十分に行われなかったことが指摘されている。
その中で、業務継続計画(BCP)の発動が行われなかったことに対して、各部の業務に支障がなかったとし、発動に至らなかった理由は行政機能低下が見られなかったからだと説明された。また、類似の災害が発生することが予想される中で、BCPの見直しや復興本部の設置が求められる中、行政として迅速かつ実効性のある支援体制の構築が急務であるとされる。
さらに、災害情報の伝達手法として、SNSなどのデジタル手段を活用する重要性が指摘され、これによって住民への情報伝達を一層迅速に行うべきであると強調された。
高齢者の移動支援についても、公民館や共同利用施設の活用が促進され、地域の自助・共助の重要性が強調される中、自主防災組織の活動も重要な役割を果たすと認識されている。高齢者に特化した支援策や、具体的な政策の充実が求められる一方で、成田市としても地域住民の生活向上に向けた取り組みが求められている。