令和6年3月1日、印西市議会の第1回定例会が開催され、会派公明党から鈴木博美議員が一般質問を行った。
一つ目のテーマは「子育て支援・教育の充実」であった。特に注目されたのは、こども誰でも通園制度の創設についてである。鈴木議員は、「民間保育所の利用促進が期待される」と述べた。この背景には、政府の少子化対策の一環として、全国的に制度を拡充する方針がある。市長の板倉正直氏は、この制度の重要性を認識しつつも、実施に向けた課題として「施設や人員の不足」を挙げている。
続く議論では、インクルーシブ遊具の設置についても言及された。鈴木議員は、埼玉県上尾市の成功事例を例に挙げ、障がいの有無にかかわらず利用可能な遊具を設置する意義を強調した。市長は既存のデータを基に、遊具設置の状況を説明し、引き続き拡充に向けて取り組む意向を示した。また、困窮する子供たちのための居場所づくりについても質問され、教育長からは、校内適応指導教室の設置準備が進められていることが伝えられた。
二つ目の焦点は「安全・安心なまちづくり」である。鈴木議員は、市民防災まちづくり学校の設立を提言し、地域住民の防災リーダーを育成する必要性を訴えた。市側は、現在の防災施策の推進状況を踏まえ、更なる施策の強化が求められると述べている。
また、移動販売の促進についても触れられた。高齢者の買い物支援策として、市内での移動販売の導入は急務であるとの意見が多く聞かれた。市長は、地域の実情を踏まえた買物支援策の必要性を認識した。
三つ目は「福祉と健康づくり」についてで、ヤングケアラーへの支援の強化が求められた。各家庭の事情を考慮した柔軟な支援策の構築が急務であるとの見解が示された。
さらに、「住みよさ実感できるまちづくり」では、行政手続きのデジタル化が進められており、市民サービスの向上を目指す取り組みも強調された。特に、住所変更等の手続きが簡素化されることに期待が寄せられている。市長は、これに伴う各種施策の進展状況を報告し、積極的な情報発信の重要性を訴えた。
最後に、入札制度についても言及があり、透明性と競争性を確保するための具体的な取り組みが求められている。市としても、公正な入札体制の構築を進めていく意向を示している。
印西市議会の定例会は、地域住民の生活向上を目指す明確な方向性を改めて確認する機会となり、今後の具体的な施策展開に期待が寄せられている。