令和5年印西市議会第3回定例会が開かれ、多岐にわたる議題が取り上げられた。特に印西市の持続可能なまちづくりについての質疑が目を引いた。市民の安全を守るための政策や、教育環境の整備に向けた取り組みは、市民の理解と支持が不可欠である。
最初の質疑の中で、中澤俊介議員は人口動態調査に基づく持続可能なまちづくりについて質問した。印西市の人口が前年比1.89%増加していることが全国の市でトップであるが、少子高齢化の進展が懸念され、10年、20年後の人口推計も重要であると指摘した。これに対し、市長の板倉正直氏は、将来の人口推計は令和10年に11万100人をピークとし、その後減少すると述べた。
また、税収について、生活環境や社会経済状況が影響を与える中で、固定資産税や市民税の安定した推移が注目された。特に新規企業の進出による税収増加の見込みがあるため、安定した財源の確保が求められる。これに関連して、岩井環境経済部長は地域から発生する経済波及効果について説明し、その重要性を強調した。
一方、都市交通戦略に関しても、地域公共交通の課題と解決策が求められた。特に交通不便地域の解消について、具体的な施策が必要との声が上がり、運賃体系の見直しが提案された。また、イノシシなどの有害動物対策に関連する議論も行われ、市民の安全を守るための施策が協議された。イノシシ捕獲活動が進んでいる状況が報告され、引き続き農業被害への対策が必要であるとの意見が相次いだ。
次に、教育環境に関する質問が行われた。原小学校の増築に伴う対応の経過報告がされ、多くの保護者の意見が反映されることが期待されている。また、スクールバス運行の要望についても支持され、全地域での調査結果をもとに、今後の運行計画が検討される予定である。
この他、印西市は公共施設の配置についても触れ、駅圏における新規施設の必要性が検討されている。特に印西牧の原駅周辺のにぎわい創出については、市民の期待が寄せられており、これに伴う具体的な対策の必要性が強調された。
会議録署名議員は、板橋睦議員と山田喜代子議員に指名され、議事が進められた。今回の定例会は、市民の声が多く反映されることが期待される内容であった。市は引き続き、持続可能なまちづくりと市民生活の質の向上に向けて取り組む姿勢を示す必要がある。