令和5年3月14日に開かれた豊山町議会第1回定例会では、町長の施政方針が議論された。
町長の鈴木邦尚氏は、施政方針の中で「一人一人が大切にされるまちづくり」を掲げ、具体的には基幹的防災拠点事業や子育て支援の拡充を進めていると述べた。特に、町民とのコミュニケーションを重視した運営に取り組むことを強調し、若い職員の意見も取り入れながら、施策を推進していく姿勢を示した。
施政方針の中で直接引用された聖書のキリストの言葉「新しいぶどう酒は新しい革袋に」は、町の課題解決には新しい発想が必要であることを示唆している。坪井孝仁議員が質疑で町長の政治姿勢を問うと、鈴木町長は「公約を実現するため、町民の皆様が豊山町で伸び伸びと暮らせる環境を整えていく」と返答した。町長は、過去2年の施策実施の結果についても肯定的に評価し、今後への期待を寄せた。
また、町長は、人口減少や少子化についても言及。「豊山町に来ると子育てが楽しい」という印象を作ることで、町民の生活を支えていくとした。さらに、デジタル技術を活用し、町民生活の利便性を高める施策も強調された。多様なニーズに応えるために、システムのセキュリティ対策についても万全を期すとし、リスクマネジメントの重要性も訴えた。
議案質疑において、大口司郎議員は、就労継続支援B型事業所の増設に伴う民業圧迫の懸念を示したが、鈴木町長は、地域に必要な支持体制を確立し、社会福祉協議会の取り組みを理解してもらいたいと説明した。施策の推進により、豊山町が目指す理想のコミュニティの実現に向けて、議員や町民の協力が求められている。