令和3年3月、一宮市では定例会が開催され、全38名の議員が出席した。
会議の前半では、主に保健所の設立や運営について議論が展開された。議員の尾関さとる氏は、一宮市が今年度、保健所を設立し市民の健康を守る責任を担うと強調した。市民健康部長の前里秀成氏によると、保健所開設時の職員数は69人で、そのうち専門職が43人であることが説明された。尾関氏は、職員数と専門職の割合が県の保健所と比較して低いことを懸念しつつも、県から派遣される職員が13人おり、経験と知識が生かされることが期待されると述べた。
次に、一宮市の100周年に寄せる市民のチャレンジ事業について、総合政策部長の皆元洋司氏が説明した。市民が自ら企画し実施するこのチャレンジ事業は、100周年を記念した活動として非常に重要であるとの認識が示された。皆元氏は、事前に募集を開始した理由を、準備に時間がかかるためと述べ、その具体的内容についても言及した。
続いて、岡本将嗣氏が町内会加入とごみ集積場問題に触れ、町内会の存在意義を再確認した。市の環境部長の佐藤裕昭氏は、町内会が集積場所の維持管理等を行う重要な役割をもっていること、またカラス対策についても説明し、地域住民との連携が不可欠であると訴えた。
キャッシュレス決済推進事業については、経済部長の服部宙史氏が詳細を報告。市内での消費喚起を図るため、昨年実施したキャッシュレス決済ポイント還元事業が、思った以上の効果をあげたことが説明された。特にポイント還元事業による消費喚起の効果が大きく、一定の経済効果を維持していることが強調された。
また、災害時の避難体制についても議論が深まった。議員の渡部晃久氏は、災害時における避難所の役割や運営体制について質問し、特に福祉避難所に関する手続きについて福祉部長の石原秀雄氏が答弁した。今後の対応として、より柔軟な避難体制の整備が求められるといった意見もあった。
議会後半では、特にシビックプライドの醸成に焦点が当てられ、一宮市の歴史的資源や文化資産の活用について議論が行われた。中村かずひと氏は、浅野公園の文化的価値を再確認し、市民の理解のもとでの活用を求めた。教育文化部長の野中裕介氏は、学校教育におけるシビックプライドの重要性を述べ、さらなる取り組みが期待されると述べた。
全体を通して、議員達は地域の安全、健康、文化促進に向けた必要な施策を今後も継続し、市民が参加できる形での地域づくりを重視する姿勢を示した。その結果、今後の市政運営に対する市民の参画が重要であることが強調された。