一宮市は、令和6年3月の定例会において、基盤整備を通じた市民の安全確保や、地域力の強化を目指す施策が議論された。特に、消防団の活動を充実させ、大規模災害への対応力を強化する必要性が強調された。具体的には、消防団の定員が605名に対し、実際の団員は505名で、全ての分団の定員が満たされていない現状が報告された。消防長の帖佐義文氏は、消防団の重要な役割として地域防災リーダーとしての機能を挙げ、今後さらなる人材確保の必要性存在を訴えた。また、過去の事例として、昨年発生した大規模火災における消防団員の迅速な対応が話題に上がったが、情報伝達の課題が浮き彫りとなった。
次に取り上げられたのは、男女共同参画に関することだ。議員からは、男女共同参画カレンダーの内容についての疑問が呈され、教育長の高橋信哉氏は、男女混合名簿の導入状況を報告した。今後は、男女の区別を無くした教育環境の整備が求められており、複数の名簿の作成を各校に任せる方針が示された。
さらに、一宮市内の人口減少地域の問題が議論され、特に浅井町や北方町の急速な人口減少が共有された。市では、子ども家庭部が休園した保育園について、今後の方針に関する報告があり、これが地域の住民にどのように影響するかが懸念された。市営住宅においても、古い住宅が多い中、入居者の募集停止が影響し町内会が解散する事例があることが認識され、地域の安全確保が課題として浮上している。
市の動物愛護施策については、住宅街での野良猫が問題視され、飼い主のいない猫への対応が求められ、増え続ける無秩序な猫の数に対する対策が必要であると示された。市民健康部長の田中朋一氏は、地域猫活動による不妊手術支援事業について話し、野良猫の減少に向けた取り組みを説明した。
また、救急活動への理解を深めるため、コンビニエンスストアを利用した救急車隊の休憩システムの導入が検討されており、労働条件の改善が進められている。特に、連続活動時間の長さが課題となっており、今後の検討が必要であるとされた。平時から災害に備える体制を整えることが提案され、地域でのサポート体制の充実が求められた。
生涯学習バスについては、市民団体からの利用が少なかったことが問題視され、補助金の継続や、市民の声を反映する施策が必要だと提案された。また、一宮市では、その後続けて展開している施策の検討が進んでおり、地域でのイベント開催に向けた準備が求められている。
最後に、いまいせ心療センター跡地の利用に関する議論があり、土地の有効活用の考え方を含め、地域の意見を尊重した開発が重要であると確認された。今後は、人口減少と高齢化に対応した施策を進めていくことが求められ、特に地域の課題に基づいた支援が必要との意見が交わされた。市は、これらの議論を受け、次世代を担う地域づくりに向けた積極的な施策を展開していく方針を示した。