令和3年9月の一宮市議会定例会では、新型コロナウイルス感染症対策や経済的支援などが中心に議論された。特に彦坂和子議員の一般質問では、コロナ禍における市民の健康と安全を守るための施策が提起された。
彦坂議員は冒頭、感染状況の深刻さについて言及し、市内の新規感染者数が急増している状況を説明した。8月には1,135人に達し、かつ入院や自宅療養の人数も大きく増加していることから、保健所の業務が逼迫していると指摘した。
保健所長の子安春樹氏は、自宅療養者に対して行っている健康観察について説明した。自宅療養の人数が多いため、代替の設備や宿泊療養施設の設置も検討すべきという意見が出た。彦坂議員は、愛知県に宿泊療養施設の設置を要望していくことを提案した。
学校での感染症対策に関しては、高橋信哉教育長が登壇し、学校での徹底した対策を講じていると述べた。具体的には、登校前の体調確認や授業中の換気を強化し、子供たちが健康を保てる環境を整備しているという。一方で、金銭的支援の必要性も強調され、特に支援を必要とする家庭へのフォローアップが重要であるとされている。
さらに、彦坂議員は不登校の子どもたちに対する支援の強化が求められるとの意見を述べ、教育支援センターの機能充実や校内適応教室における指導体制の改善を求めた。教育長は、教育支援センターでの支援内容や、学ぶ環境の整備について報告し、依然として困難な課題であることを認識しているとした。
一宮市議会では、社会的な孤立を解消するため、保護者向けの支援を強化していく必要性も示されていた。議員たちは、相談がしやすくなる体制作りや、育児に関する情報提供の重要性を強調し、地域全体での支え合いの在り方について議論を深めている。