令和元年9月一宮市議会定例会が開催された。会期は9月2日から25日までの24日間に設定され、無事に承認された。
今回の定例会では、多くの議題が取り上げられたが、中でも注目されたのが請願書第2号「2019年10月からの消費税率10%への引き上げの中止を求める意見書」である。この請願書は、消費税廃止一宮各界連絡会の鈴木義一会長が提起したものであり、税率引き上げの中止を求める内容であった。
請願の審査結果は不採択となったが、その背景には各委員からの慎重な意見があった。総務委員長の井上文男氏は、社会保障費が増加する中で安定した財源を確保するためには消費税率の引き上げが必要であるとの意見を述べた。また、現在進行中の軽減税率の準備や補助施策も考慮され、請願の採択には至らなかった。
彦坂和子議員は、消費税引き上げによる家計や中小業者への影響について言及した。彼女は過去の増税が消費の冷え込みを引き起こしたことを強調し、今後の経済状況を懸念する声を上げた。このように、請願通過の試みは賛否の中で終えた。
また、議案第17号の令和元年度愛知県一宮市一般会計補正予算についても説明が行われた。財務部長の大宮恒紀氏は、補正予算案が一般会計で約6億8,695万円の増額であり、特別会計や企業会計でもそれぞれ増額される見込みを示した。これにより、今後の事業や施策に資金を提供する方針が示された。
さらには、議案第24号として「一宮市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例等の一部改正」や、議案第25号「一宮市パートタイム会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定」などの議題も扱われ、今後の職員体制や給与制度についての動向がうかがえた。特に、パートタイム職員の新たな規定は、働き方改革の一環として注目される。
一宮市では、今後も住民の声を大切にしながら、持続可能な地域づくりが進められていく見込みである。地方自治体にとって、納税者からの期待に応えるためには、慎重な態度が必要であると再認識された定例会であった。