令和5年12月の定例会では、様々な重要な議題が扱われ、特に性教育の重要性や食品ロスの削減についての意見交換が活発に行われた。
中でも、10番の宇山祥子議員が提出した性教育に関する質問は特に注目を浴びた。この議員は、昨今の性被害や性感染症の増加に対して、教育現場での積極的な性教育の導入が必要であると強調した。特に、若年層における性感染症の増加とそのリスクについて、データを示しながら危機感を訴えた。「愛知県では、梅毒感染者がこの10年で10倍以上増加している」と述べ、包括的性教育の必要性を強調した。
宇山議員は続けて、教育長の高橋信哉氏に教育現場での取り組みを問いかけ、現在の性教育の状況について詳細を求めた。高橋教育長は、教育現場で性に関する指導が行われているが、全国的に規範が整備されていないことが問題であることを述べ、「指導内容は発達段階に応じて行われるが、さらなる検討が必要」と応じた。
また、食品ロス削減の取り組みについて、27番の水谷千恵子議員は具体的なデータを挙げながら、給食における無駄な廃棄物の削減について質問。特に、給食での食べ残しや未開封による廃棄が目立つことを指摘し、その対策として地域でのフードドライブの実施や、余剰食材の活用を提案した。その一方で、自身の発言を通じて、多くの課題が堆積している現状を浮き彫りにしていた。
その後の議題では、学校給食費の値上げについても言及された。近年の物価高騰を受けて、今後、給食費が段階的に増加する予定であることが告げられ、水谷議員は保護者への負担軽減策について質問を行った。教育部の森敬一部長は、今後の財政状況、特に国からの交付金の動向を注視する必要があるとの見解を示した。
さらに、地域包括支援センターについて、福祉部長の坂野貴子氏が現在の取り組みを報告。地域住民が困難に直面した際、支援センターがどのようにコミュニティをサポートするかに関する説明があった。
緑豊かなまちづくりの施策に関しても議論が行われた。特に緑地の確保については、豊田市や岡崎市の数値と比較され、一宮市の都市公園の現状について確認がなされた。今後、市全体で緑地面積を増やしていく必要性が論じられた。
最後に、学校体育施設のスポーツ開放についても触れられた。地域住民が利用しやすい環境を作るための条件緩和を求める意見があり、部長は今後の検討を約束した。
このように、12月の定例会では市民の安心・安全、教育環境の向上や地域づくりを目指すため、様々な視点からの提案がなされ、各議員の意見が交わされる活気ある議事が展開された。