一宮市の令和3年9月定例会において、さまざまな重要な議題が持ち上がり、議員たちが活発な質疑を展開した。
まず、福祉タクシー料金助成に関する質問が登場した。宇山祥子議員は、介護が必要な高齢者への支援として、ワクチン接種に伴うタクシー助成券が配布され、その利用状況はわずか4.1%に留まることを指摘した。その原因として、接種会場の変更や家族による送迎が考えられるとも述べた。橋本宜季福祉部長は、追加的な支援策や制度の周知が重要であると応じた。
さらに、議論は一宮市の平和教育に移り、宇山議員は市の空襲歴を踏まえた教育の重要性を訴えた。特に、空襲の記憶を次代に伝えることが求められ、学校での平和教育の強化が必要とされている。教育長の高橋信哉氏は、社会科の授業を通じた平和学習や体験者の話を取り入れることで、教育現場での取り組みが進められていると強調したが、それでも行事への参加者数の減少への懸念の声も挙がった。
一方、新型コロナウイルス対応に関連した支援施策も取り上げられた。議員たちは、コロナ禍が子育て世代に与える影響やワクチン接種の重要性について議論し、特に子ども食堂や母子支援体制についての改善の必要性を指摘した。市民健康部長の河岸勝己氏は、産後ケアや新生児・産婦訪問などを通じて切れ目のない支援を進めていると述べ、さらなる周知や利用促進の必要性が示された。
さらに、議会では中学校のスポーツ環境を巡る議論も行われた。北部中学校のテニスコートの設置状況が問われ、学校敷地内に試合ができるコートがないことが指摘された。教育部長の野中裕介氏は、既存のコートの整備見直しや、公園のテニスコート利用についてポジティブな意見を収集していくと答えた。このように、議会では市民が望む環境改善が進められることが期待されている。
この定例会を通じて、議員たちは市民が直面する問題に関して具体的な提案を行い、行政による柔軟かつ迅速な対応が求められた。今後も市民の声を反映させた施策の実施が待たれる。