上野原市議会では、令和2年9月17日に定例会が開催され、様々な市政に関する質問が行われた。市政における8050問題やゼロカーボンシティー宣言に関する施策が特に注目を集めている。
8050問題を取り上げた山口薫議員は、ひきこもり問題が高齢者家庭において深刻化していると訴えた。特に、80歳以上の親が50代の子供の生活を支える問題を指摘し、福祉課に実態調査を求めた。福祉保健部長の上條昭仁氏は、相談が寄せられていることを明らかにし、今後も対応に努めると述べた。
また、山口議員は、社会福祉法が改正されたことに触れ、その内容についても質問した。改正法の下で、地域共生社会の実現が求められている中、上條福祉保健部長は、包摂的な福祉サービス提供の必要性を強調した。
次に、ゼロカーボンシティー宣言に関する施策についても議論された。山口議員は、宣言の実現に向けた具体的な取り組みについて質疑し、生活環境課の尾形武徳課長は、省エネ・再生可能エネルギーの導入を推進する考えを示した。さらに市民の意識向上が必要であることを強調し、環境への取り組みの重要性を訴えた。
防災訓練に関しても討議が行われた。山口議員が防災組織の活動と訓練の重要性を指摘すると、危機管理室の尾形修室長は、防災訓練を通じて基礎的な知識や技能を身につける必要性について述べた。全員が年に一度の訓練だけでは足りない、潜在的な危険を意識する重要性が強調された。
最後に、談合坂スマートインターチェンジの通行量についての議論が行われた。議員らは、供用開始後の通行量が思わしくない現状を危惧し、さらなる周知活動を求めた。市長の江口英雄氏は、通行量の増加に向けて民間企業との連携を強化する方針を示した。
これまでの議論を踏まえ、市は市民のニーズを的確に把握し、取り組むべき課題を整理しながら、効果的な施策を展開していく意向を示している。