令和6年3月、都留市議会が開催され、議員たちは市内の各種課題について活発に議論を交わした。
最初に九番の山本美正議員が提起したのは、都留市の重要な観光資源である十日市場・夏狩湧水群についてであった。この地域は「平成の名水百選」に選ばれており、多くの観光客が訪れている。山本議員は、「この観光資源を如何に活用するのか」と市の取り組みを問うた。これに応える形で、産業建設部長の齊藤浩稔氏は、観光PRビデオの制作やSNSでの情報発信を通じて、十日市場・夏狩湧水群の魅力を広めていく方針を示し、年間で約12,000人の観光客が訪れていると報告した。
次に、6番の小林健太議員は、広域行政の課題に触れ、人口減少が進む中での広域行政の必要性を訴えた。市総務部長の紫村聡仁氏は、東部広域連合の解散によって得られたメリットとデメリットについて説明し、今後の広域事務の進展に向けた姿勢を示した。
続いて、5番の志村武彦議員は、自治会の負担軽減について質問し、特に防災や防犯の観点から自治会活動の重要性を強調。市民部長の山口哲央氏は、自治会長にかかる負担を軽減するために、行うべき改革を計画していると述べた。
また、登山道整備に関する発言もあり、志村議員は都留市の登山道の現状と整備の必要性を訴え、産業建設部長からは登山道の維持管理の取り組みについての報告があった。特に、御正体山や高川山など主要な登山ルートの維持管理が行われていることが示されたが、高齢化による担い手不足が問題視されており、持続的な管理体制の構築が求められている。
さらに、小俣哲夫議員は、空き家問題とその対策について質問。市民部長は、空き家等対策特別措置法の改正に伴い、新たな施策が導入されたことを説明し、特定空家等の適切な管理と活用を促進する方針を示した。特に、管理不全空家に対する措置を強化し、地域住民の安全と環境保全に寄与することが強調された。
財政状況についての情報も共有され、宮林俊議員からは、2045年問題に対する財源確保の必要性が指摘された。市長の堀内富久氏は、将来的な税収減少を見据えた財政管理への取り組みを表明した。具体的には、社会環境への配慮を行い、持続可能な施策を展開する重要性が確認された。
この他にも市内の教育環境の整備、新たな公共施設の整備計画、鳥獣被害防止について様々な議題が扱われ、参加した議員らがそれぞれの視点から意見を述べる中、高齢化とともに地域課題の解決に向けた議論が進められた。議会は、今後の行政の在り方や市民生活の向上に貢献するための施策について丁寧に検討することを誓った。