令和4年9月16日、上野原市議会は第3回定例会を開催した。最初の議題は市政一般に関する質問であり、市民が抱える課題に対する議論が展開された。
市長の村上信行氏は、情報通信網の整備について自らの公約を強調した。NTT東日本から一部エリアでのサービス提供開始の回答を得たことを報告し、すべてのエリアでのサービス普及を目指す決意を示した。
具体的には、「フレッツ光」のサービス提供を市全域に拡張するため、初期投資の一部を市が負担する方針で、令和5年度当初予算に載せる方向で調整を進めている。この施策により、デジタル社会の進展から取り残されないよう、上野原市の情報格差是正が期待される。一方、議員からの質問に対し、過去12年間の努力が日本の通信会社の事情や予算の制約に左右され続けたことも指摘されていた。
次の討議では、災害に強い上野原市づくりが議論された。危機管理室の横瀬仁彦室長が、地域防災計画の改定や地域防災リーダー養成講習の実施、人材育成に向けた取組みの状況を報告した。地域住民との連携を強化し、災害時に備える体制を構築する重要性が強調された。
さらに、鳥獣害対策についても質問があった。関戸一光産業振興課長は、実施中の捕獲と損害防止策について説明し、特に猿やイノシシによる農産物への影響が深刻であることを伝えた。野生動物の管理が必要とされる中、特に耕作放棄地の解消、地域住民協力の呼びかけ、新たな捕獲方法の検討が求められた。
市民の声を反映し、例えばスケートボードパークの設置要望が若者から上がっている。地域力の協力を取り入れたまちづくりを進めるためには、こうした新しいスポーツや文化活動のエコシステムを育てる必要があるとの声も聞かれた。具体的には、若者が自らのアイデアで地域の活性を促進するような施策が一つの道として検討されている。
最後に、上野原市の部活動の地域移行についての取り組みが説明され、地域密着型の余暇活動が学生たちにとって重要であるとの見解が示された。これにより、地域のつながりや市民の参加意識を高めることが期待されている。市の取り組みは今後も注視され、市民の要望に応じた柔軟な対応が求められる。