令和2年甲州市議会3月定例会が開催され、様々な議題が取り上げられた。特に市長の鈴木幹夫氏の所信表明では、今後の施政方針や予算案について述べ、議員からの質疑に応じる形で進行した。
市長は、甲州市が抱える農業の重要性を強調し、特に果樹栽培とその振興が市の経済に不可欠であることを説明した。さらに、近年増加している農業従事者の高齢化や担い手不足の解決策について述べ、具体的な施策として甲州市農業ビジョンを策定し、後継者や認定農業者への支援を進める意向を表明した。市長は、この10年間が農業振興において最も重要な期間であるとの認識を示した。
また、勝沼地域のワイン産業についても言及し、地域特産品の高品質と知名度の向上に向けた取り組みを説明した。特に、文化的景観としての調査を通じて、国や県の指定文化財への格上げに向けた計画が進行中であると述べた。市長は、観光の拠点としての勝沼ぶどうの丘の整備計画も強調し、劣化が進む施設の改修と集客促進策が重要であるとの認識を示した。
画期的な取り組みとしては、新たに開設予定の甲州市子ども家庭障害者支援センターについても触れられ、地域共生社会の実現に向けた支援体制の充実が目指されている。他にも、教育課題として小・中学校の統廃合について慎重に進める考えが示され、地域住民や関係者からの意見を適切に反映させていく姿勢が伺えた。
一方で、議案について注目を集めたのが令和2年度甲州市一般会計予算である。一般会計の予算規模は159億7,800万円となり、昨年度と比較して3.4%の減少が見込まれる。市長は、限られた財源を効果的かつ効率的に活用し、住民福祉の増進に努める意向を述べた。特に、義務的経費の計上が必須であることが強調された。
最終的に、請願として寄せられた二つの事項にも言及された。一つは、国に対して治安維持法犠牲者への賠償を求める請願であり、もう一つは消費税率の引き下げを求める意見書の提出についてであった。このような請願は市議会での重要な議題として受理され、それぞれの色々な意見が交わされた。議会は改革の道筋を模索し続けたりと、住民福祉の向上に向けた施策を推進している。