令和2年3月24日、甲州市議会の3月定例会が開かれた。
議題は多岐にわたり、特に甲州市の一般会計予算が重要なテーマとして取り上げられた。議案第11号として提示された2020年度の一般会計予算は、鈴木幹夫市長が就任後初めての予算となることから、市長の施政方針が注目されている。
鈴木市長は、「新県政との共同歩調による活性化への挑戦」を強調し、今回の予算編成では義務的経費を最低限に抑えながらも必要な行政課題には重点的に対応したと発表した。この予算は約150億7,800万円で、前年度と比べて約5億6,000万円の減少が見込まれるが、農業振興や防災対策の充実を図る意向も示されている。
一方、この予算に対する議会の意見は分かれた。川口信子議員は、一般会計予算の減額について疑念を表明し、農業振興費と商工費が大幅に減少していることを指摘。「生活困窮者への支援や中小企業の負担軽減策が必要である」と訴えるなど、予算案への反対討論を行った。
また、議案第38号として審議された2020年度の合計補正予算には、感染症予防や商工振興に関連する約258万3,000円の追加が含まれており、こちらも可決となった。各常任委員会からの報告を受けて、議会においては概要の審議が進められ、結果として提出された多くの議案が一括して原案通り可決された。
特に、厚生経済常任委員会と総務文教常任委員会の報告に関する質疑が行われ、幅広い議題が取り上げられたことが印象的であった。市長の予算案は反対意見にも関わらず大多数で通過する運びとなり、市は今後も市民の声に耳を傾けながら施政を進めていく方針している。
この定例会は、鈴木市長にとって重要なスタート地点となり、新たな挑戦に向けた前進が期待される。新型コロナウイルスの影響もある中で、甲州市の発展に向け、議会も一丸となって支援の姿勢を示している。新年度を迎える中、多くの課題が残されているが、今後の取り組みに注目が集まる。