海南市議会は令和4年11月29日に定例会を開催し、多様な議題が議論された。特に、妊産婦の救急搬送体制や自然災害対策が大きな関心を集めた。
市内では、妊産婦からの救急要請に対して適切な対応が行われているが、依然として救急車利用についての認識が不足している。鯰江史拡警防課長は、「救急隊員は妊産婦への対応を訓練しており、令和2年から令和3年にかけて、妊産婦を救急搬送した実績がある」と述べた。今後、市はこの利用を促進するための広報活動を行う考えを示した。
また、大雨などの自然災害による被害予想も重要な話題として浮上した。坂本匡也危機管理課長によると、「河川の洪水浸水想定区域内では約9,300世帯が影響を受ける可能性がある」とのこと。市では、地域住民が自主的に防災計画を策定することを奨励しているが、実際には未設定の地区が多く、今後の取り組みが期待される。
特に、災害時にはスムーズな避難が求められ、住民の意識向上がカギとなる。溝口恵敬議員は、「避難行動の調査を行い、住民の意識を把握することが今後の課題」とし、積極的なデータ収集を求めた。
さらに、男性用トイレにおけるサニタリーボックスの設置が提案された。村田かおり健康課長は、「尿漏れパッドなどを処理できる環境は、社会的意義がある」と強調し、設置を進める意向を示した。公用施設での整備が進むことが期待されるが、民間施設においても意識向上が求められる。
最後に、故小野田寛郎氏の生誕100周年に関するイベントも挙げられ、多くの市民が映画鑑賞を通じて平和の尊さを考える機会となることが期待された。教育委員会では、当氏の戦争体験を基に、児童・生徒の平和教育に活用する考えが示された。