海南市議会の令和3年11月定例会が開催され、一般質問が行われた。主な議題には水道事業や契約、監査機能、学校図書ボランティアの活動、駅東土地区画整理事業、自衛官募集に関する問題が含まれている。特に水道事業に関しては、宮本憲治議員が水道の有収率や管路の経年化、更新率について問題提起した。彼は「海南市の有収率は75.4%で、全国平均の89%を大きく下回っている」と述べ、老朽管の更新が遅れた結果として頻発する断水の危険性を指摘した。
宮本議員は具体的なデータをもとに、海南市の水道インフラの整備が急務であると強調。京谷工務課長は「本市の管路経年化率は約25%、更新率は0.55%で、全国平均の水準に達していない」と答えた。検討中の漏水調査機器の導入や浄水場の新設に関する提案も行われ、これに対する市の考えも求められた。
また、契約とチェック監査機能についても議論され、藤田管財情報課長は「随意契約のチェック体制強化を計画している」と述べつつも、具体的な実施方法について十分ではないと認めた。議会では「透明性を確保するために、サンプル調査を行うべき」との意見も出た。
杉本博美議員による学校図書ボランティアについての質疑も注目された。図書ボランティアの活動が資源不足で困難を抱えているとし、地域の理解促進や新たなボランティアの募集方法の改善が必要だとの意見が示された。教育長は「図書ボランティアの活動の周知に努める」と答え、具体的な取り組みについて協議を進める意向を示した。
駅東土地区画整理事業に関する岡義明議員の質問では、事業の長期化に伴う問題が指摘された。区画整理課長は「電線の地中化には課題が残っているが、進めていく」とし、入居者のコミュニティ維持への努力を誓った。だが、岡議員は「過小宅地の清算金が高齢者にとって大きな負担になる可能性がある」と懸念を示した。
最後に、自衛隊募集に係る名簿提供についても議論され、プライバシー保護への配慮が求められた。市民課長は申請の方法を見直す必要性を述べ、市民に配慮した対応を行う意向を表明した。市長も「申請しやすい方法を今後検討したい」と述べ、全面的な見直しを約束した。
本日の質疑や議論を通じて、地域に速やかな対応が求められる様々な課題が浮き彫りとなった。市ではこれらの問題に今後どう対処していくかが、大いに注目される。