令和3年9月8日、海南市議会の定例会が開催された。主なテーマは自治会と行政の関係で、行政の期待や自治会の現状について議論が交わされた。
米原耕司議員は地域の安全・安心な暮らしを実現するため、自治会の重要性を強調した。彼は、自治会が地域住民を支える担い手であり、地域の課題解決に寄与していると述べた。特に、防犯や防災活動において自治会の役割は不可欠であるとの認識を示した。
しかしながら、近年の社会環境の変化や価値観の多様化により、全国的に自治会への加入率が低下している事実も指摘された。米原議員は、加入世帯が減少している理由に、若年層の住民意識の希薄化やマンション住民の不参加があるとの見解を示す。また、加入率が低下することで自治会活動の停滞が懸念され、地域全体の活力が低下する可能性があると警鐘を鳴らした。
加えて、米原議員は自治会活動へ対する行政支援の必要性についても質問を行った。市民交流課長の黒崎直行氏は、自治会が地域づくりの中心的な担い手であると認識しつつ、過去5年間で自治会の加入率は下がり続けていると答えた。具体的には、令和2年度の自治会加入率は74.3%であり、特に若い世代の加入が少ないことが指摘された。
黒崎市民交流課長は、現在、市では自治会振興助成金や活動保険への補助を行っているとした。そして、今後の方針としては、各自治会が抱える課題を共有し、先進的な事例を参考にしたサポートを行う意向を示した。このように、自治会を支援することは地方自治体の大きな課題であり、議論の重要性が強調された。
さらに、議会内では、地域住民がさまざまな組織と協力して安心して生活できる環境が作られることが求められ、自治会がその基盤となることが期待されている。
議事の最後には、米原議員が他の市の条例事例を紹介し、海南市でも自治会加入への条例制定が必要ではないかと問いかける場面も見られた。これを受けて、黒崎市民交流課長は、他市の事例を研究しながら進めていく考えを示すなど、地域の参加意識が高まるようより一層の努力が求められる。
この日の議会では、自治会の重要性、加入率の低下、行政支援の手段について、議員たちによる活発な質問と議論が展開され、住民との協力関係の強化が焦点となった。