海南市議会の令和2年2月定例会において、神出政巳市長が新型コロナウイルス感染症に関する影響と市の対策についての報告を行った。特に春節シーズンにおける観光客数が前年同時期に比べて減少していることが強調され、物流の停滞が地元事業所に及ぼす影響も懸念された。一般質問では、観光客数が前年比1割から2割の減少が認められ、観光産業の危機的状況が浮き彫りとなった。新型コロナの影響で中国からの物流がストップし、特に材料を中国から調達している事業所では商品の製造に支障が出ており、コロナ禍におけるビジネスの維持が困難になる恐れがあると述べられた。
また、感染者が発生した際の市の対応についての質問があり、保健所と連携しながら日々変化する状況に対応していることが示された。特に小中学校の休業要請など、急な事案に対しても迅速に行動していることがアピールされた。市民への広報も重要視され、市報や先週配布したチラシを活用して、新型コロナウイルスに対する不安を抱える市民に必要な情報が伝達されていることが強調された。
さらに、保健所での検査の制限についても触れられ、新型コロナウイルスの検査は提出された条件に基づいて判断され、検査希望者全員が受けることは難しいと説明された。海南市の医療センターでは、発熱などの症状がある方への対策マニュアルが整備されており、標準の感染予防対策が講じられている。搬送についても適切なルールに基づいて行われていることが説明された。
一方、浸水や断水といった大規模な漏水事故が発生した場合の備えについて質疑がなされ、海南市でも水道管の老朽化が進んでいるが、必要な対策を立てていることが確認された。市では沈下沈降防止のために、漏水事故が発生しないように継続的な管路の調査と更新を進めていると述べられた。漏水による大規模断水の可能性について懸念が寄せられたが、基幹管路など重要な箇所の更新が継続されているとのことであった。今後も市民への影響を軽減すべく、慎重に対策を進めていく必要があると強調された。