令和元年十一月二十六日に開催された東京都北区議会において、大規模水害対策や生活福祉行政について活発な議論が交わされた。台風十九号の影響を受けた中、多くの議員が荒川氾濫に備えた避難勧告や避難所の運営について意見を述べた。
日本共産党の野々山研議員は、特に荒川氾濫を想定した大規模水害への備えが不十分だったことに触れ、危険度を判断し適切な避難判断ができたか疑問を呈した。また、災害時の情報発信についても課題を指摘し、例えば、防災行政無線が聞こえない状況や、防災情報を簡単に取得できる仕組みが必要であると強調した。野々山議員は、「防災・減災情報を普及するためには、各家庭での防災教育も重要です。」と述べた。
また、生活保護についても議論が行われ、永井朋子議員は、「区として信頼回復を図るために、社会福祉主事の有資格者数を増やさなければならない」と指摘。さらに、生活福祉行政に関する国の勧告の重要性も強調した。返答として、区長は「現在、社会福祉主事資格者を増やす取り組みを強化している」と述べ、透明性や支援制度の充実が求められる旨を表明した。
一方、羽田新飛行ルートに関する質疑もあり、多くの住民が理解を示せていないという意見に対し、区長は「住民の意見を尊重したい」としつつも、安全対策について国に要望し続けることを約束した。
女子高生議員の松沢よしはる議員の意見でも、今後の社会参加の機会確保や、高齢者向けの働きやすい環境づくりについて多くの提案がなされた。特に自給自足や地域内でのつながりを重視したいとの考えを述べ、地域福祉事業の強化が急務であるとの声も上がった。
最後に、皆が抱える福祉の課題に応じた支援体制の整備が求められる中、教育においても支援の強化が提案された。「子育てするなら北区が一番」というスローガンのもと、包括的な支援が必要であるとの方向性が再確認された。
区では、引き続き、台風などの自然災害に備え、人々の安全を守るための対策を進めていくとしている。