令和元年六月十九日、東京都北区議会は、花川與惣太区長の施政方針と所信表明を受けて定例会を開催した。
区長はこの四月に再選され、五期目に入ったことを受け、区政運営に対する決意を述べた。特に「子育てファミリー層、若年層の定住化を促進すること」に対する思いを強調し、魅力ある北区を目指す意欲を示した。
所信表明では、施策の柱として、「地震や水害に強い安全・安心なまちづくり」「長生きするなら北区が一番」「子育てするなら北区が一番」を挙げ、これまでの実績を基に新たな施策の展開への期待感を示した。区長は、これらの施策が根本にある区民との共生と理解を深めることで実現可能であると述べた。
その中で、特に「北区多文化共生指針」の策定を通じて、多様な文化を持つ人々が共生できる社会の実現を図りたいと述べた。区長は、外国人や高齢者、子育て世帯など、すべての住民が安心して暮らせる環境整備に全力を挙げる決意を語った。
さらに、教育の重要性にも言及し、子どもたちが地域社会の一員として自覚を持ち、自らの力で未来を切り開く力を育むことの大切さを強調した。教育環境の向上に向けた取り組みとして、学校施設の整備や保育の質の向上も挙げられた。
区議会では「区長の施政方針に賛同し、これに基づく施策の推進を図るべき」との意見が多く出された。特に、過去の成功体験を基に、今後どうやって地域の魅力を発信し続けるかが大きな課題であるとも指摘された。これに対し、区長は地域内の文化とイベントを結びつけることで、観光や交流を促進し、「ふるさと北区」を形づくる活動を進める意向を示した。
また、多様性を尊重した区政のあり方についても議論が巻き起こった。区民に対してより良いサービスを提供するため、民間団体や学校との連携を強化していく考えも示された。区長は、「誰一人取り残さない」とのSDGsの理念に基づき、具体的な施策をしっかり進めていくことが必要であると述べた。
議会では、新基本計画の策定に向けた意義や、歴史文化遺産を生かしたまちづくり、さらには多文化共生社会の実現に向けた具体的な施策についての質問が相次いだ。区長は今後もこれらの課題に対して、適切な施策を講じていく考えを示し、議員らの意見に真摯に向き合う姿勢を貫いた。