下野市では、安全・安心な道路環境整備を目指してさまざまな施策を進めている。市道の総延長は約800キロメートルで、幹線道路の改良率は約93.8%に達しているが、生活道路の整備が課題として浮き彫りになっている。この生活道路の整備は、十分な財源を確保しながら進める必要があるとの認識が示されている。
道路の植栽管理について、現在市は約44路線の市道に高木や低木を植栽している。中でも高木は約2100本、低木は約1万8000平方メートルと多くの植栽がなされている。しかし、これらの樹木が成長することで、視界を妨げることや、落ち葉による通行障害が問題となっている。市では年間を通じて剪定作業を行い、必要に応じて迅速に対応する方針を採っている。
標識の管理に関しては、信号機や標識が視認性の確保を重視して設置されており、障害物がないよう配慮されている。しかし、劣化した標識や視界を妨げる位置に設置された標識が問題視されているため、必要に応じた見直しプロセスを実施することが求められる。
また、誰もが快適に移動できる道路環境の整備は、特に高齢者や障がいを持つ方々のニーズにもとづいて進められている。市は、ユニバーサルデザインの観点から歩道や自転車専用レーンの整備を計画しており、地域の要望に基づいた道路整備を進める姿勢が示されている。
この整備の結果として、東京オリンピックや国体など、大勢の訪問者を迎える機会が増え、それに伴う交通環境の充実が求められている。市当局は、それに対応するための計画を継続的に推進し、地域住民や訪問者が安全に利用できる道づくりに努めている。