令和4年第3回下野市議会定例会では、主に自治会公民館の在り方とデジタル化推進が議論された。
金子康法議員は、自治会公民館に関して、老朽化や利用率低下に伴う改築や財政支援の必要性を強調した。彼は、自治会公民館の役割を歴史的に評価しつつ、地域住民の交流の場としての重要性を訴えた。
これに対し、坂村市長は自治会の重要性を認め、自治会公民館が地域活動を支える基盤であると述べた。市内には146の自治会が存在し、地域住民の結束を高めるための取り組みや、連絡協議会を通じた情報交換を実施していると述べた。
デジタル化に関する質問では、金子議員は、隣町の栃木市がデータセンター誘致に成功した事例を挙げ、下野市においてもデジタル技術の活用が必要であると訴えた。市長は、自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画について言及し、市のサービス向上を目指す取り組みを具体的に説明した。
坂村市長は、特に住民に利便性の高いサービスを実現するためには、デジタル技術の活用が欠かせないと強調した。DX推進には、住民記録や地方税、福祉等の情報システムの標準化やマイナンバーカードの普及促進を掲げている。
加えて、市民相談支援体制の充実についても議論された。加藤好雄議員は、高齢者や障がい者など複合的な生活課題に対して、より包括的な相談体制が求められることを指摘。市長は、地域共生社会の実現に向け、相談窓口の役割を見直したいとの意向を示し、適切な支援体制の整備を進める方針を述べた。
また、加藤議員は市民からの声が反映できる窓口の設置を提案し、市長はその提案を参考にしていくと約束した。その他、不妊治療の経済的負担についても質問があり、市は治療費補助を拡充することに踏み切りたいとの方向性を示している。
これらの議論を通して、下野市の未来に向けた新たな施策や制度の必要性が浮かび上がった。特にデジタル化は市民サービスの向上に寄与し、自治会公民館のサポートや市民の相談窓口の充実が急務であることが確認された。