下野市の令和2年第4回市議会定例会では、多胎児家庭への支援や学校の制服選択制に関する議論が行われた。特に多胎児育児の現状や社会的背景がクローズアップされ、支援策の必要性が強調された。
多胎児家庭における育児は、精神的、肉体的、経済的な負担が大きい。市長は、国によるピアサポート訪問や相談支援事業が新たに始まると述べ、対象市民として多胎児家庭の社会的つながりを深める重要性を指摘した。具体的には、多胎妊婦を要支援妊婦として位置付け、包括的なサポートを行ってきた。今年度は新型コロナウイルスの影響を考慮し、多胎児家庭の孤立を防ぎ、安心して相談できる場としての役割も果たしている。
また、多胎児家庭への育児サポーターの派遣についても議論された。市は現状では多胎児家庭に対する親族の手助けが多いと考え、サポーター事業の実施を見合わせている。しかし、今後の支援ニーズや要望に応じて検討を進める意向を示した。加えて、育児ママ・パパリフレッシュ事業についても、多胎児家庭に向けた利用券の利用状況を確認し、必要に応じて見直しを行うことを示唆した。
一方、学校の制服選択制度についても重要な話題として浮上した。新学校が開校する南河内小中学校では、制服のスラックス・スカート選択制を導入する方向で進んでいる。男女共に選べる制服選択制が導入されることで、生徒の個性が尊重されると期待されている。教育長は、この流れを受けて他の中学校でも検討し、足並みを揃えていく意向を示した。特に、制服選択制は性の多様性や生徒の多様な背景に配慮した取り組みとしても重要視されている。
こうした一連の取り組みは、地域社会における家庭や教育環境をより良いものにし、全ての市民が安心して生活できるようにするための重要な施策であると考えられている。今後の進展が期待される。