令和5年6月に開催された第2回佐野市議会定例会では、行財政経営や市民サービス向上をテーマにした一般質問が行われた。注目は、行財政経営における対話型AI、特にチャットGPTの活用方法である。
春山敏明議員は、行財政経営において対話型AIチャットGPTの活用を提案した。市長の金子裕氏は、チャットGPTが膨大なインターネット情報を基に効率的に業務を進める役割について強調した。金子市長はリスクとして情報漏洩や不正確な回答の可能性を挙げ、先に採用した横須賀市や鹿沼市の実績への言及もあり、検証と研究を進める意向を示した。
具体的には、計画策定段階でのアイデア出しや、メール等文章作成の効率化が期待され、これにより職員の業務負担が軽減される見込みである。春山議員は市民の要望を反映させるために、デモンストレーション的な利用から実際の業務運用に向けた計画を求めている。
次に、災害用ドローン整備事業についても質問があり、消防長の飯島美津浩氏は、ドローンの導入により災害時の情報収集や救助活動の効率化が図られるとの見解を示した。令和5年度中に一基を購入予定で、職員の操縦士養成も行う。さらに、赤外線カメラの装着が進められることで、火災や捜索時の効果が向上する見通しである。
また、消防団員に関連する質問も行われ、消防団の充足率が79%と過去最低に達していることが明らかにされた。消防長は入団促進に向けた広報活動や事業所との協力体制の構築が重要であるとの考えを述べた。特に、事業者との連携を深めることで、団員確保に向けた新しいアプローチが期待される。