令和3年第4回佐野市議会定例会では、市政に対する一般質問が行われ、さまざまな重要課題が議論された。
新人の神宮次秀樹議員は、避難所の見直し及び今後の対策について質問を行った。彼は、令和元年の東日本台風により、多くの避難所が浸水した問題を指摘し、「避難所は水害時に垂直避難が可能な堅固な建物が望ましい」と強調した。一方、行政経営部長の寺岡利幸氏は、旗川流域の浸水時には利用できる避難所が減少することから、民間企業と災害協定を結んで避難場所の確保に努めていることを説明した。
農地の管理や耕作放棄地への対応についても議論があり、産業文化部長の小野勉氏は、新規就農者を支援するための施策について詳細に述べた。特に、高齢化や担い手不足により農地の維持が困難になっている現状を考慮し、農業機械のレンタル支援や維持管理の代行支援を強化していくことが求められる。
加えて、新型コロナウイルスワクチン接種に関する質問も多く、接種体制や予約手続きの改善についても触れられた。特に、65歳以上の高齢者に対し、円滑なワクチン接種を行うための努力が続けられていることが報告された。しかしながら、依然として予約が混み合い、入手困難な状況も見受けられる。市は、医療機関との調整を図り、接種枠の拡大を目指すとともに、市民の不安解消に取り組む意向を示した。
また、地方自治法第121条に基づき、スプレー缶の有害ごみ変更を行ったことが報告され、地域住民への周知と対応が進められていることも確認された。地域密着の対策として、地元資源を活用した再生可能エネルギーの拡大も話題になり、特に木質バイオマス発電の導入についての検討がなされている。
市民からの期待に応えるため、各部門が連携して具体策を講じていく重要性が再認識された会議だったといえる。今後の取り組みに対する市民の関心が高まる中、市は誓ってさらなる努力が必要であろう。