令和6年第3回佐野市議会定例会では、多岐にわたる課題が議論された。
早川貴光議員が取り上げた佐野市デジタル人材育成指針については、地方行政のデジタル化が喫緊の課題であると説明があった。行政経営部長の小田一之氏は、「業務の効率化を実現するためには、デジタル化は必要不可欠であり、ICT人材の育成に力を入れていく」と述べた。具体的には、県や先進的な自治体のケーススタディを参考にしつつ、佐野市独自の指針策定を進め、職員がデジタル技術を使って行政改革の担い手となることを目指す。
早川氏は、「デジタル人材の育成はライフワークとして取り組んでいく」と表明し、さらに指針の有効性と課題を問うた。小田部長は、デジタル人材育成の手法に関する具体的な施策についても言及し、特に現場の業務とデジタルの両方に精通した人材確保が必要であると強調した。今後の研修計画やデジタル社会に向けた取り組みの重要性が再確認された。
ごみ焼却施設の安全管理については、大澤美希市民生活部長が、葛生清掃センターの焼却炉故障に関する報告を行った。運営側は、焼却炉1号の故障の原因として、老朽化による設備の摩耗があったと説明した。故障による業務の影響は最小限に抑えられたが、長期的な視点での施設の維持が求められている。
また、町内会の統合・再編に関する取り組みも進められている。長期的には、地域内の統合や再編を支援することが地域の活性化につながると考えられている。
孤独・孤立対策推進法の施行に合わせて、地域での支援の必要性も触れられた。特に、高齢者の孤立や子育て中の家庭が抱える課題に対しては、地域コミュニティの強化が重要であるとの意見が出た。
最後に、春山敏明議員がマイナンバー情報照会の活用状況について質問した。健康保険証のデジタル化が加速する中で、マイナンバーカードを用いた手続きの利便性が高まっていることが強調された。市は今後も様々な施策と連携し、地域のニーズに応じた施策を実施していくと述べた。