令和3年5月18日、野木町議会第3回臨時会が開会された。この議会は特に新型コロナウイルス対応策についての質疑が活発であった。
まず、議案第1号である専決処分事項の承認を求める件では、町長の真瀬宏子氏が新型コロナウイルスワクチン接種に関わる高齢者移動支援事業を報告した。総合政策部長の寺内由一氏によると、この専決処分の背景には、迅速な対応が求められたことがあった。具体的には、接種会場への高齢者の移動を支援するため、804万3,000円の補正予算が計上された。これは対象となる高齢者3,800人への支援を含んでいる。
質疑の中で、館野孝良議員が「利用者の予想数は?」と質問すると、健康福祉課長の松原一敏氏は「全ての75歳以上の高齢者を対象にしている」と答えたが、実際にどのくらいの人数が利用するかについての想定はしていないとのこと。また、宮崎美知子議員は、タクシー利用時の迎車料金について質疑し、町民生活部長の寳示戸浩氏は公平性を重視し、一律支援にする方針を述べた。これに対し、費用負担が利用者の心理に影響する可能性があるとの意見もあった。
次に議案第2号として令和3年度一般会計補正予算の審議が行われ、今回は5,638万4,000円の増額が提案された。これに関連して、寺内部長は「新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした全国的な地方創生交付金に基づくものです」と説明し、関連施策についての具体的な内容も述べた。
その後、議長の辞職許可願いや新議長選出も議題に上がった。黒川広前議長は辞職の理由を一身上の都合とし、議場で感謝の挨拶を行った。新たに針谷武夫氏が議長に選出され、松本光司氏が副議長に就任する選挙が無事に行われた。
この他にも、各種委員会の選任が行われ、今後の運営体制が整備される見込みとなった。議会の最後には、委員会の閉会中の継続審査の申し出に関する議論が行われ、本臨時会におけるすべての議案が承認され、午後4時20分に閉会となった。