令和3年第2回那須塩原市議会定例会が開かれ、市政に関する多岐にわたる質問が行われた。
特に電磁波の問題に関しては、金子哲也議員が教育や社会福祉の観点から質問を行った。金子氏は、最近のデジタル化の進展に伴い、電磁波による健康影響を無視できないとし、「具体的な調査や対策を求める」と述べ、市長や各部長に見解を求めた。市長の渡辺美知太郎氏は、電磁波の影響については認識しているとしながらも、「現在のところ特段の対策は考えていない」と答えた。
また、大野恭男議員は高齢者福祉についての質問を重視した。新たに制定される第8期那須塩原市高齢者福祉計画において、特別養護老人ホームの増床や介護医療院の整備が進められる旨が説明された。特に、施設の整備については、西那須野地区に重点が置かれる可能性があると述べた。加えて、介護認定調査員の確保についても触れ、人材不足を懸念した。
山本はるひ議員は、市民協働による地域づくりについて、ワクワクトークや市政懇談会の重要性を訴えた。市長は、この協働の考え方をしっかり浸透させるために、行政の仕組みやルールを整える必要があるとした。特に、実際のまちづくりで市民と協力し合う体制を強化することが不可欠であると指摘した。
会議の最後には、保育事業に関する質問が行われ、保育士不足や待機児童の解消策が議論された。子ども未来部長は、保育施設の整備や保育士の確保に努めていく意向を示した。また、保育園の民営化の進捗状況についても説明があった。
今回の定例会では、市政を巡る多くの関心事が取り上げられ、市民の生活に密接に関連する問題に対する市の姿勢が問われている。市民との協働、子どもたちの未来、高齢者福祉、そして教育環境の改善が、今後の那須塩原市の重要課題として浮き彫りになった。