市貝町議会は、令和4年3月の定例会において多くの重要な議題を討議した。
特に注目を集めたのは、通学路における交通安全の確保に関する議論である。議員らは、千葉県八街市で発生した児童に対するトラック事故を例に挙げて、通学路の危険性を再認識する必要性を強調した。町は、学校や道路管理者と連携し、39か所の危険箇所を確認し、そのうち26か所についてはすでに対策を講じている。さらに、通学路の改善点を明確にし、迅速な対応を求める声が上がった。
次に、登校しやすい環境づくりについても大きな議論があった。登校しにくい状況や不登校児童の増加が指摘され、スクールソーシャルワーカーの配置の必要性が主張された。町内の不登校数は小学校約10名、中学校約20名に達しており、その要因として親子関係や心理的要因が挙げられた。教育委員会は、今後も専門家と協力し、個別の支援を行っていく方針である。
また、空き家問題に関しても深刻な状況が語られた。市貝町では、176件の空き家を把握しており、その数は増加傾向にある。特に、老朽化した空き家の管理が不十分であり、570棟の家屋が必要な状況にあるとの報告がなされた。町の対策としては、空き家バンクの設立や解体補助制度の活用が検討されている。
孤独・孤立対策に関しても多くの意見が出た。高齢孤立者やひとり親家庭へのサポートが強調され、町は住民のつながりを重視し、「みんなでつづるふる里夢プラン策定事業」などを通じて地域振興の重要性を訴えた。
さらに、赤羽町営住宅についても議論がなされ、老朽化の進んだ北側住宅の解体や民間賃貸の借上げを検討する必要があるとの意見が出た。これにより、町の財政負担を軽減する方策が模索されている。
最後に、自治消防団については、団員の待遇改善が急務であり、報酬の見直しや相談窓口の設置が求められた。特に、団員からの退団希望者が相次いでいる実態に対し、町としての対策が求められた。