安来市議会の第97回定例会が令和元年9月4日に開催され、空き家の利活用や子育て支援、働き方改革における市の労務管理など、幅広い議題が討議された。
空き家問題については、安来市内には772戸の空き家が存在し、うち44戸が空き家バンクに登録されているとのことだ。これは前年に比べて減少しており、改善策が求められる。市は、安来市空家等対策計画に沿い、適正な管理を推進するために情報提供や広報活動を行っているが、現状ではまだ住民の意識が十分に高まっていない可能性がある。市長は、空き家を出さないための取り組みとして、地域の専門家の知見を借りることを検討し、住民との対話を重視する必要があると訴えている。
一方、働き方改革に伴う労務管理については、時間外勤務の状況がやや増加傾向にあり、業務遂行上の必要性があるものの、時間外勤務が常態化しないよう対策に取り組むことが強調された。健康管理についても、定期的な面談を実施し、職員の健康維持に努めているとの回答があった。
また、健康福祉部からは、子育て支援としての包括支援センターの設置予定や、フードバンク事業の活動状況が報告された。フードバンクでは、昨年度は登録企業から1,009件の食品が寄贈され、社会的なニーズも高まっている。市民が参加しやすい取り組みへと発展させるため、さらなる協力を呼びかけているという。
さらに、食品ロス削減に向けた効果的な施策に関しても検討が進められており、安来市が国民運動として促進する姿勢を示している。市長は、食品ロスの問題に取り組むことが社会全体の意識変革につながるとの意義を強調した。
これらの議題は、今後の安来市が抱える課題に対する具体的な対応策や地域住民と行政の連携が求められていることを示唆している。今後の進展が期待される。