第99回安来市議会定例会が令和3年3月4日に開かれ、新型コロナウイルスワクチン接種や介護予防、地域文化の振興について議論が行われた。この中で、特に注目されたのはワクチン接種とその体制である。
田中 武夫市長は、医療従事者からのワクチン接種が進む中、65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ人々を対象に接種を進めていく方針を示した。接種場所は、安来市立病院や特設会場での実施が予定されており、また高齢者への移動支援策も検討されているという。市長は、接種を希望しない人に対しても正確な情報提供が重要であると強調し、相談窓口を設けて市民の不安に応える姿勢を見せた。
また、昨今のコロナ禍で、地域包括支援センターへの相談件数は増えており、高齢者の虐待や地域孤立に関するケースが多く寄せられていることが報告された。安来市では、こうした状況を受け、相談体制の強化や地域の見守り活動に積極的に取り組んでゆくことが確認され、より一層の支え合いが求められている。
加えて、安来市が抱える文化の振興についても議論が展開された。安来節の保存、普及を目的とした活動が確認され、中でも若者を中心とした取り組みの重要性が指摘された。市長は、観光資源としての安来節を育成するため、地域のコミュニティ活動との連携を図る必要があると述べた。
このように、安来市は新型コロナウイルスの影響を受けた市民生活を支える取り組みとともに、地域文化の育成に力を入れた施策を進めている。市民との対話を大切にしながら、地域の課題解決に向けた一歩を踏み出すことで、安来市の未来が描かれていくことが期待される。