第101回安来市議会定例会が令和5年6月8日に開催され、議員から中山間地域と圃場整備、スポーツ施策についての熱心な質問が相次いだ。
中山間地域の農業について、内田卓実議員が農業従事者の高齢化や担い手不足の問題を提起した。内田議員は、農業が抱える多面的な役割を強調し、荒廃する農地が周囲の環境や景観に悪影響を与える懸念を示した。さらに、特に中山間地域での農業支援の重要性を訴え、地域住民が直面する不安要素を行政に訴えた。これに対し、農林水産部長の細田孝吉氏は、支援策として農用地維持のための交付金や共同活動の支援を挙げ、その効果について説明した。
細田部長は、中山間地域等直接支払交付金事業の効果として、農業生産基盤の維持や耕作放棄地発生の抑制に繋がっていることを述べた。さらに、地域資源の維持や景観形成に寄与している点も指摘した。これにより、地域自給自足の実現に向けた一歩として期待される影響が見込まれている。
次に、圃場整備についての質問が続いた。内田議員は安来市における圃場整備の進捗を確認し、市長の田中武夫氏は圃場整備が農業競争力の強化に向けた重要な施策であると力説した。彼は生産コストが高騰する中で、圃場整備が将来の農業経営に不可欠であるとし、地元の熱意や利用権の設定が採択の鍵であることを強調した。
さらに、田中市長は、圃場整備が地域経済の底上げにも寄与するとの見解を表明した。特に、安来市では600ヘクタール以上の圃場整備が進行中で、多くの農家法人が設立され、地域の持続可能な農業振興につながっているとのことだった。
最後に、作野幸憲議員がスポーツ推進施策に関する質問を行った。市のスポーツ推進計画の進捗について触れ、感染症の影響により多くの事業が難航したことを挙げた。しかし、施設整備は計画通り進行していることも伝えられた。
また、地域のスポーツ活動を活性化するためには、指導者不足や少子化、資源の老朽化などの課題が明らかとなった。教育長の秦誠司氏は、体力向上のための取り組みを進めているとし、今後も安来市のスポーツ文化を支える意義を強調した。
このように、今回の定例会では、地域の農業やスポーツ施策が未来に向けた重要なテーマとして議論され、各議員の献身的な姿勢が見受けられた。市民生活向上のための具体的な行動が求められる中、行政と市民の連携がカギになると言えそうだ。