令和5年の安来市議会定例会が9月に開催され、多くの重要なテーマが議論された。
今回の会議では、鳥取県西部のごみ処理施設整備計画が取り上げられ、その進捗や住民への説明会について質疑が行われた。特に、米子市彦名町における新ごみ処理施設の選定について、住民からの疑問が寄せられている。岩崎勉議員がこの件に対して「県境を越えた安来市吉佐町の自治会連絡協議会に対する説明会は必要だったのか」と発言したのに対し、遠藤市民生活部長は、「法律に基づき周辺区域の生活環境に配慮している」と説明した。
さらに、本市の下水道事業に関する話題も取り上げられ、村社上下水道部長が「下水道使用料の回収率が60%台に留まっている」と述べ、財政面での厳しさを指摘した。経営戦略が求められる中、利用促進策として接続率の向上が強調された。
一方、高校の魅力化についても議論が展開された。安来市の高校生が地域と関わることで、人材育成や地域活性化の効果が見られ、県立大学サテライトキャンパスの効果も報告された。特に、県立大学生との交流が進む中で、高校生の進学率が向上する可能性が示唆された。先日行われた安来節全国優勝大会によって、地域文化の振興がさらに進むと期待されている。
また、空き家対策として新たに設置された専門部署についても話が及び、相続登記義務化の影響が挙げられた。相続によって明確化された所有権が、空き家の活用や解体推進に寄与することが期待されている。加えて、老朽危険建築物の除去助成事業も紹介され、地域活性化のための取り組みが進んでいることが強調された。
さらに、公共施設の雨漏り問題にも触れられ、現在27の施設で雨漏りが確認され、そのうち24施設の修繕が未了であるとの指摘がなされた。公共施設の維持管理が市の財政に重大な影響を与える中、迅速な対応が求められている。
最後に、安来節振興の重要性が確認され、地域文化を未来へ繋げる活動の必要性が強調された。各議員からの意見が出される中で、地域の活性化と文化の発展に向けた具体的施策が求められた。